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カセットコンロⅢ

ちょっと話を聴くだけのために警察署まで連れて行かれるとは思わなかった。

ようやく家に帰って来たものの私のテンションはすっかり下がってしまっていた。
部屋の中心、テーブルの上に置かれたカセットコンロが目に入る。
まるで私の帰りを待っていてくれたように見えた。

「さっきは悪かったな…言い過ぎたよ。」

私は素直にコンロに謝罪した。
そうだ、久しぶりに鍋でも作ってもらおう。
私の突然の提案にコンロが快く応じてくれた気がした。

私は買ってきた食材を切り、コンロが沸かした湯の中に浸した。
煮えた食材と出汁の匂いが漂い、私は十分に火が通ったことを確信し蓋を取った。

うまかった。

こんなにうまい鍋を作ってくれるコンロの死を願っていたのかと思うと、
自分が恥ずかしくなった。
コンロは何も言わず、ただ涙を流しながら謝罪する私の傍らにいた。

私はコンロと結婚しようと思った。

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2006年05月06日 カセットコンロ トラックバック(0) コメント(0)












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